印籠(いんろう)式
印籠(いんろう)式
身箱の内側に、より高さのある箱を収めることで、印籠のような形状となる箱。「上(蓋)+身+下」の3つのパーツから仕上がる。
長所
- 箱が二重になっていることにより、強度の面で強い。
・蓋と身箱を真ん中に合わせることで、蓋の浅深に関わらず凹凸感の少ないフラットな箱になる。 - 蓋の高さを変え隙間を空けることで、身箱の紙色を見せることができ、デザインの選択肢が広がる。
- パーツが多い分、アレンジの幅が広い(身箱を斜めにカットしたり、後述の印籠蝶番式にしたり)
- 下よりも上を深くすることができ、上部に空間を作れる。それにより、商品を緩衝材にすっぽり埋めなくても良いので、本来なら隠れてしまう箇所を見せられ、見せ方の幅が広がる。
短所
- 深さは全体でかぶせ式よりも要し、蓋がはまるための身と下の差(蓋のひっかかり部分)が最低11mm以上必要。それにより余計にサイズを大きくしなければならず、材料が余分にかかる。
- サイズが大きいと製造できないこともある。製作できても大きいとサイズがたわみやすいため、下箱に対して身がきれいに納まらず見た目が落ちる。
- かぶせ式よりも工程数が増えるので費用がかかる。
使用シーン
- かぶせ式よりも一般的でないので、かぶせ式よりも目立たせたかったりワンランク上げたい時。
- 身と下が台座のようになるので、重心低くディスプレイとしても映えさせたい時。
- フラットになるので、シャープなイメージを出したい時
ワイン、グラスなどの割れ物や、重厚感を出したいものに用いられることが多い。
事例
タンブラー、マグカップ:ある程度の大きさで凹んだり、割れたりする恐れのある重量物。
ネイルチップ:一般的なネイルチップよりも高級なもので、パッケージでもそれを表現したいとして選択
服装品、ジュエリー系:上部の空間により商品の視認性が増し、ディスプレイ用途としてもマッチする。ジュエリーケースで多い蝶番式よりも蓋と身が分かれるので形式ばらない。かつコストを抑えられる。
コスト
- サイズや内容にもよるが、1,000個程度までは抜型を使わず製作できる。
- 箔押を行う場合は別途「箔版代」と「箔押代」が必要。(箔押代は通常、箱代に含めて算出)
- 作業の工程が増える分、かぶせ式に比べるとコスト面が上がる。
事例集
製作中