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シンバル専用のボックスを開発した話

シンバル愛が産んだボックス

「楽器」と簡単に一言でくくれないほど、楽器の種類は多種多様です。世界各地に豊富なバリエーションの楽器が存在します。西洋楽器であれば、ギター、バイオリン、ホルン、サックス、ピアノなど、和楽器なら三味線、琴、尺八など、古今東西、世界には、数千、数万の種類の楽器があると言われています。打楽器だけでも1000を超える種類があるとか(「新版 打楽器事典」)同じ種類でも、形やサイズや使っている素材も耐久性もそれぞれ違います。楽器の世界は奥深いですね。

PACKAGE ARTでは、楽器専用のボックスを作り続けています。中でも弊社が開発したギター専用ボックスは、全国各地の楽器を取り扱う楽器店やリサイクルショップの方々から大好評で、定番のロングセラーになっています。

さて、今回ご紹介するのは「シンバル」専用のボックス。開発者の深谷さんに、開発の経緯を聞きました。

なぜ「シンバル」のボックスを開発したのですか?

私がドラマー歴34年で、中学生の頃からシンバルを愛しているからです。大切なシンバルをしっかり守り、しかも出し入れがしやすい箱が必要だと感じていました。

普段であればシンバルは専用ケースに入れているのですが、従来のボックスに入れて緩衝材を巻かずに運搬することもありました。運搬中に「ゴン!」と落としてしまうことも。シンバルは、円周部分が傷つくと音が変わる場合があり、最悪使い物にならないこともありました。それなのに従来のボックスは出し入れがしにくく傷みやすいので、常々不満に感じていました。

従来のボックスの何が問題だっだのでしょうか?

通常、シンバル運搬用の包装は、ビニールに入れただけのものを3枚、4枚重ねて、縦向きにボックスの中に収納されます。A式の細長い「オーバーフラップ」型の箱が使われます。蓋の部分が二重になっているので、きちんと閉めれば強度はあり、低コストで作れるのがメリットです。弊社でも、ギター用やサーフボード用に使われています。

しかし、シンバル用としては不便です。入り口が狭い上に、重ねた曲面のシンバルは引っかかり、取り出しにくい。無理をすると蓋部分が劣化し、箱も壊れやすいので、実に使いづらいものでした。また、ビニールを被せただけの包装では、移動中に傷つきやすいのですが、シンバルを保護する緩衝材を入れることが難しい箱の形になっていました。

この問題を何とかしたいと思いました。

新しいシンバル用のボックスには、どんな工夫があるのでしょうか?

まずは箱の種類をA式ではなく、C式に変更することを考えました。これであれば、シンバルを縦ではなく横置きすることができ、出し入れも簡単になります。また、A式のオーバーフラップ方式では上下の2箇所しか二重になりませんが、C式であれば上下左右の四方が二重底になり、強度が増します。何よりもこの方法であれば、緩衝材を入れることが容易です。

A式よりコストは高くはなりますが、壊れにくくなるので、使い回しができるのもメリットです。シンバルをしっかり保護して、環境にも優しい箱作りを目指しました。

最後に利用者にひと言

シンバルと利用者の安全第一を考えて作られた専用のボックスです。愛する楽器は、演奏者にとってただの「モノ」ではありません。楽器への愛を込めた、楽器Loversのためのボックスです。ぜひ、ご利用ください。

20インチ(約51センチ)までのシンバルに合わせた薄型段ボール箱です。気泡緩衝材を巻いた状態で2枚までの収納を想定しています。身とフタのかぶせ式にすることで中身が取り出しやすく中身の確認もしやすい形状です。

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