F.C.G.R
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戦略的梱包材でブランドと品質を守る

お客様訪問

Freedom Custom Guitar Research

お客様を訪問し、パッケージのニーズやお困りごと、パッケージとの付き合い方などをうかがい、皆さんに共有しています。

前回は、国内最高峰のギター工房であるFreedom Custom Guitar Research(以下F.C.G.R)がこれまで貫いてきた信念やギター製作にかけるこだわりについて、代表の深野 真さんにお話を伺いました。 [第1部はこちら]

第2部の今回は、製作したギターの出荷に欠かせない梱包材について、F.C.G.Rがどのような考えを持っているのか、そして私たちパッケージアートがどのように関わっているかをご紹介します。

第2部「戦略的梱包材でブランドと品質を守る」

はじめに、パッケージアートとギター梱包材との関わりについて簡単にご紹介します。

出発点として私たちは、2007年からギターの梱包に特化したダンボール箱を販売していました。ギター専用箱を製作したきっかけは、現代表である小林の実体験からでした。彼は、手持ちのアコースティックギターを友人に宛てて発送する際に、ギター梱包の手間や課題に直面したのです。

そこで、ダンボール加工のプロとして、ギターを簡単に梱包でき、見栄えも損なわず、安心して発送できる箱を目指して、自ら設計・製作し、同じ課題をもった人の役にたつようECサイトで販売を始めました。その後、お客様からのリクエストに応じて、別サイズや強度の高い材質の箱を追加し、現在に至っています。

ギター用ダンボール

パッケージアートF.C.G.Rから梱包材の相談をいただいたのは2016年のことでした。どのような経緯でこの相談に至ったのでしょうか。

 

【ご相談いただいたきっかけは何ですか?】

ギター発送用の梱包箱は、以前は別の会社から仕入れていました。しかし、発送用の梱包材としては強度が低く、印刷の無い無地箱、箱の製作にホチキス使用する事などに不満を感じていました。

F.C.G.Rブランド設立後、製造本数や需要が少しずつ伸びてきた中ふと海外製品のカートン(箱)を見たときに、かっこよくて丈夫そうで買いたくなるな。」と思いました。

それまでは、どうしても製品の方にばかりコストを掛けがちで、なかなか梱包材にコストをかけることが出来なかった。でもこれからは、ブランドの成長を見据えてしっかりとした箱が必要だなと考えるようになりました。

ちょうどその頃、同業他社のギター工房の社長さんから御社(パッケージアート)の箱の事を聞いて、弊社の郷右近が中心となり、相談してみようとなりました。工場から近い(隣区)ってのも便利ですし。

ー ご相談のきっかけが、当社開発の「ギター梱包用ダンボール箱」を通じてのご紹介だったと知り、嬉しく感じました。

お話の中で「需要が少しずつ伸びてきた中で」とあるように、梱包材のオーダーメイドは「事業成長ステージ」に深く関係しています。事業が始まったばかりの頃は、リソースを最短で本業を伸ばせる部分に集中させることが重要です。

しかし、事業が成長し、本格的にブランドを育てるステージに達した時には、梱包材やその他の顧客との接点にも戦略が必要となります。これらの接点は、顧客がブランドに触れる機会を増やし、ブランドの印象を形成する重要な要素です。適切な梱包材を選ぶことは、製品の品質を守るだけでなく、ブランドの一貫性を保ち、顧客に対するメッセージを明確に伝える手段にもなります。

「近い」という立地条件も、現代のネット社会では見落とされがちですが、重要な選択肢の一つです。お互いの仕事のスタイルや相性によるものの、近距離にあることで細かな要望や相談の認識をすり合わせやすく、対応スピードの面でもメリットがあります。また、運送料や配送時間の削減も期待でき、地元企業との取引を通じて地域経済の活性化にも貢献できます。

F.C.G.Rダンボール
印刷入オリジナルダンボール箱(F.C.G.Rショールームにて)

【当社商品をご使用いただいての反響はありましたか?】

ぶっちゃけ、いいですよ。ダンボール箱として、クレームが入ったことはありません。

御社に希望の箱の仕様を相談し、これまでの箱で感じていた箇所をすべて改善できたので、基本的に言うことはないです。

【箱のデザインはどのように考えられたのですか?】

ロゴのデザインは姉と私で考えて制作しました。トータルデザインはプロのデザイナーに希望内容を伝えたうえで制作しています。

箱の主要機能は「商品を発送するためのもの」ですが、海外メーカーが作った箱に対して「これかっこいいな。ほしいな。」と思ったことある経験上、ブランディング含めて梱包にもこだわって、かっこいいものを作るというのはありだと思います。

御社に依頼をするときには絶対にかっこいいもので、取っておきたくなるものを作りたいなと思いました。

【ギターの梱包・発送時に気を付けていることはありますか?】

大事にしているのは「梱包された商品がでしっかり固定され動かない」ということです。移動時に生じる振動や衝撃から中身守るという基本的な事を大事に考えて、梱包しています

商品を箱の中で固定させるパーツは弊社のギグケースに合わせて作っていただいているので、ぴったりですごく楽です。ほぼ、完璧で最高です。

ー ご相談時から希望仕様がはっきりしていたのが印象的でしたが、実際に時系列順にお話を伺ってみると、仕様・寸法などの仕様すべて決められており、やりたいこと明確にしていたことがよく分かりました。

「やっぱり箱に大きくGibson(海外のギター大手メーカー)って印刷があるとさ、それだけで欲しくなるでしょ?」という深野さんの言葉どおり、ブランド戦略の考え反映した内容になっていると感じました。

F.C.G.Rダンボール

ご依頼いただいている箱の仕様は、海外発送用途にも適した、厚みのあるWF8mm厚)ダンボールで製作しています。箱の上下は蓋が二重になるオーバーフラップ仕様です。そこに同じくWFダンボールで作った眼鏡型のスペーサー(ネック箇所固定兼保護材)を付属させています

眼鏡型スペーサー
眼鏡型スペーサー
ギター用ダンボール
箱との組み合わせ  ※ともに画像は規格品

実際に使用されている感想として「これらを使うことで製品がしっかり固定され動かない。破損事故もないし、梱包作業も楽で助かっている。」とご評価いただいています。

当社としても、顧客のイメージ通りのものを作れたこと、製作の一端を担えたことに大きな喜びを感じています。ダンボール箱1つとっても、こだわって作られているのが分かりました。

訪問の感想

私たちパッケージアートが考えるパッケージの役割は、ただ物を包むだけでなく、包まれた物の価値や顧客のブランドを引き上げることです。今回のインタビューではF.C.G.R様とのパートナーシップの大切さ、それが順調であることを改めて認識することができました。また今後の展開やアイデアなどもお話しさせていただき、大変有意義な時間となりました。

お忙しいところ、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

F.C.G.R
(左から)パッケージアート 小林、桂野、高橋、F.C.G.R 木工長 郷右近さん(工房にて)

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